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果樹園の風対策

 果樹栽培を本格的はじめると必要となる風対策。
 意外に実りの悪い果樹の原因は春先の冷風被害の可能性もあるため、その対策は単に防風だけでなく、風当りの対策としても重要です。
・風対策の目的
 ・台風・突風等により果樹の物理的被害の防止
 ・春(花、新芽の時期)に吹く冷風被害の防止

・風による代表的な被害
 ・強風よる果実の落果、果実への傷付き(全般)
 ・春先の冷風による結実数の減少(梅)
 ・春先の冷風による開花時期の遅れ(梨等)

代表的な風対策

種 類   特  徴
防風・防雪ネット
防風・防雪ネット
 ポリエステルを主材料に作られメッシュ上のネット。ネットの網目は1mm四方程度に作られ、厚み、重量もあり、非常に丈夫な作りになっている。
・メリット
 必要な場所にすぐ準備が出来る。非常に丈夫で、環境が良ければ十数年間は手入れ不要で使える。
 防鳥ネットの側面部分として兼ねて使える。

・デメリット
 平地などの風の強いところでは、台風等の突風で負ける(傾くなど)ことがある。
 ネットのを設置する支柱・ワイヤー等の設備が必要でコストが高い。
防風林


防風林 杉
針葉樹林、常緑植物。
 防風として利用するときは、木材用に枝払いをしなければ防風効果が期待できる。
・メリット
 成長が早い。苗が安価。

・デメリット
 成長が早すぎるため、必要以上に大きくなると手入れが出来なくなる。杉の下で、害虫(カメムシ等)が越冬する。花粉症の人には大敵・・・
防風林


針葉樹林、常緑植物。
海岸等で防風・防砂目的で広く利用されている。
・メリット
 長寿であり、風に強い。(突風でも倒木しにくい)

・デメリット
 成長が非常に遅い。害虫(マツクイムシ)の被害に弱い。 風を受ける密度が低いため、防風の為には2重3重に植林する必要がある。
※マツクイムシとは、マダラカミキリムシとその他同様の害を及ぼす虫の総称です。
防風林

珊瑚樹
耐寒性常緑小高木。
生垣等の庭木としてガーデニングにも広く利用されています。
・メリット
 成長が早く、生命力も強い。太い枝になりにくいため、手入れが用意である。
 また、挿し木により増やすことが出来る。
・デメリット
 苗木がやや割高。ハマキムシが越冬する。
・その他
 管理人の知る中では、果樹栽培で総合的に最も優れた樹木.。挿し木で増やすことも出来ます。
 現在、10年かけて杉との入替え作業をしています。
 この他、防風としての目的を果たせる常緑植物※では様々な樹木が防風林として使用されています。防風林の樹木の種類については、姉妹サイト:防風林ナビ>防風林とは>防風林となる樹種 にて紹介しています。

 風対策に防風林を用いるとき、定期的に木の手入れが必要となります。杉の木による防風林の手入れについては、姉妹サイト「防風林ナビ」にて紹介しています。(別ページで開きます。)

 ※常緑植物・・・幹や枝に一年を通じて葉がついていて、一年中緑の葉を見ることができる植物。

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