梨の袋がけ

梨の実に1個1個に袋をかけて、商品価値を向上させます。
 袋がけを実施する栽培を有袋(ゆうたい)栽培、袋をかけない栽培を(無袋栽培)ともいいます。

・袋がけの目的
 病害虫の被害の防止
 梨の実の品質向上(表皮のきめが細かくなります)

・実施する時期
 20世紀 6月※
 豊水   6月~7月末まで
 幸 水  6月~7月上旬まで
 ※20世紀に幼果実袋(通称小袋)も使用するときは5月上旬

・袋がけの効果
 袋がけを行うことにより、果実に付く病気全体の被害の軽減を行うことが出来ます。
 特に一部の病気では、その効果が高く、袋がけを行わない場合には大量の農薬を使用する必要が発生します

 袋がけ(有袋栽培)で特に効果の高い病気の例)
 幸水  ・・・輪紋病(リンモン病)
 20世紀・南水・・・黒班病(コクハン病)
 
 袋がけ(有袋栽培)で特に効果の高い害虫の例)
 アブラムシ類、毛虫類

・その他
 梨の袋がけ(有袋栽培)は、実施しなくても栽培が可能です。
 本職の梨栽培で袋がけを行うことは、費用と労力(特に労力)が必要となるため、有袋栽培は減少しつつあります。
 しかし、有袋栽培では使用する農薬量が格段に少なくなります。
 少量の梨の栽培では、袋がけを実施した方が効率が良く、梨の品種によっては有袋栽培でないと病気被害により明らかに収穫量が減少するものもあります。

 直売等を主体としている梨農家では、商品価値の差別化の意味で有袋栽培が多くあります。

 また、無袋栽培の幸水は輪紋病(リンモン病)の完全な防除は難しく、その病気被害は果実が熟した時(収穫時)に突然表皮が丸く腐敗する被害が現れます。
 被害に心当りのある方は、袋がけ作業をおすすめします。

梨の袋がけ(有袋栽培)

梨の実の写真  梨の実の確認

 袋がけを行う果実の外観を確認します。

 摘果作業後に発生した病気の付着や、見落とした傷がないことを確認します。
梨の袋がけ写真  袋がけの実施

 専用の果実袋の口を広げて、梨の実に被せます。
袋がけの止め方写真  袋がけの口を止めます

 専用の袋の片隅には、針金が埋め込まれています。

 すぼめた果実袋を針金で折り挟むようにして袋をとじます。
梨の袋がけの写真  袋がけが完了

 各梨の果実、1個1個に手作業で実施します。
袋がけ前の梨の木写真   袋がけ前の梨の木

 梨の実が、葉や枝に溶け込み、実りが目立ちません。
袋がけされた梨の木写真    袋がけを実施した梨の木
 残念ながら、写真では解りにくいですが、果実袋をかけたことにより多くの実りが一目で実感出来るようになります。
 ※袋がけを実施した際、使用した袋で正確な果実個数が判ります。
 今後の参考に、実った個数がわかるように記入したプラカードを付けえておくと、果樹の管理に便利です。写真の木では、160個でした。



ページトップに戻る