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果樹園での飼育

 果樹園の下で、鶏(ニワトリ)を飼育。羊を飼育。なんかできそうだ!
 果樹園を見てると、みなさん一度は思うのでは?実際にやってみました、管理人は!
 果樹栽培ナビの管理人は志し半ばで挫折したものの、確かな光明をみました。管理人の思いを継ぐ方、チャレンジしてぜひ成功してください。管理人の失敗談ではありますが、ぜひ参考にしてください。

果樹園での飼育 副業による畜産と有機農法への転化

 鶏  羊  鶏
飼育した動物
 鶏(ニワトリ)・・・・白色レグホーン
            チャボ(観賞用)
            烏骨鶏(観賞用兼卵用)※東京烏骨鶏かもしれない。
            名古屋コーチン(食肉用)
            黄斑プリマスロック種(食肉用兼卵用)

飼育規模
 白色レグホーン  ・・・・・ 約200羽
 最初の飼育実験として、産卵が悪くなり肉用に処理さるもの(通称、クズ鳥)を養鶏所で1羽50円程度で譲りうけ、飼育を開始。

 チャボ(観賞用) ・・・・・  約10羽
 好意で2組つがいを譲り受け、レグホーン達と別の果樹園で飼育を開始。増えて10羽になった。

 烏骨鶏(観賞用兼卵用)・名古屋コーチン(食肉用)・黄斑プリマスロック種(食肉用兼卵用)
 白色レグホーン、チャボの飼育が順調なため、雛鳥を1羽当り1千円~2千円程度で合計60羽程購入しチャボ混ぜて飼育を開始。

飼育環境
 果樹園の周囲を、もともと設置してある防風・防雪ネットを拡張し完全に囲い、その果樹園全体で放し飼いにした。
 住処(寝床・産卵・ヒナの子育てスペース)として鳥小屋を建設した。

飼育の方法
 放し飼いを主体とし、朝に鳥小屋の扉を開放し、夕方扉を閉鎖とし、日中は自由に屋外の出入りを可能とした。

餌・飼育飼料
 最初は、草や虫を食べるので残飯等を与えれば、それほど配合飼料が必要ないと考えていた。しかし、飼育を開始すると飼料による問題が幾つか発生し配合飼料が多量に必要となった。
 市販の配合飼料の他、経費節約から、お米の生産者から人が食せない未発達のくず米を譲り受け、飼料に使用した。

飼育による果樹園の影響(メリット等)
 鶏が虫を捕食するため、地上の虫が一掃された。
 特に栗の木では、毎年発生する大量のコオロギがほぼ全滅と言えるほど駆逐され、地上に落ちた栗のコオロギ被害がなくなった。
 草も啄ばむため、ある程度の除草効果も認められたがメリットと言える程の効果は確認出来なかった。


飼育中の問題点
・飼料による問題①
 放し飼い中に捕食する虫や草、残飯である程度の生育は可能だった。しかし成鳥し親鳥となると、カルシウムが決定的に不足した。その影響として、カルシウムが不足すると、卵の殻が十分に形成されず、脆い卵が産まれ繁殖や出荷(製品)に適さないものとなった。
 配合飼料を用いなくても、カルシウム分の補給に、貝殻を粉にして餌に混ぜると良いらしかった。しかし、実際に大量の貝殻の入手は困難であった。
 身近なカルシウム分として卵の殻を食べさせる案も思いついたが、調べて見ると鶏に卵の殻を食べさせると、産んだ卵を食べる癖がつくことがあるとのことで使用できなかった。

・飼料による問題②
 冬場の食料不足が発生した。
 鶏は、雪の上を嫌がるため、寒くても地表が見えていれば果樹園で餌を探索する。しかし、雪が積もると一切雪の上を歩かないため、鳥小屋に閉じこもり、大量の飼料を消費した。

・囲いの問題①(鶏に起因)
 鶏が飛ばないと言うのは嘘です。飛びます。それもかんなり飛びます。滞空時間が短いだけで、その気になれば10m程度の飛翔は可能です。
 そのため、管理人の果樹園で用いている防風・防雪ネットは約4メートル程度の高さがあります。しかし、成鳥となった鶏は十分飛べる高さであったため、容易に出ないよう更に1m程度の拡張を行いました。

・囲いの問題②(害敵に起因)
 野犬や猫による被害を防止するため、防風・防雪ネットの他、更に地中に約30cmのネットを埋設し侵入を予防しました。

鶏と害敵
・カラス(烏)
 雛鳥を捕食する。成鳥には被害がない。(被害は確認していない)
 名古屋コーチンや黄斑プリマスロック種の親鳥は、カラスに屈することなく雛鳥を守るため、鳥小屋にカラスが入りこまない限り、大きな被害にとはならなかった。しかし、チャボは成長でも小型なため、カラスに対抗出来ず、短時間で大きな被害をうけた。

・イタチ
 鳥小屋に侵入し、鶏を捕食する。イタチは賢いため、実際に捕食している様子は確認できなかった。しかし、鶏の数が合わないことがあり、イタチの被害を受けたと思われることがあった。

・ネズミ(鼠)
 鶏への直接の被害はないが、配合飼料を食べに鳥小屋に侵入する。

・犬、野犬
 鶏は犬の本能を刺激するらしく、捕食の為ではなく、ハンティングとして鶏を噛み殺します。そのため、短時間で数羽の鶏を一度に殺してしまい、最大の害敵でした。

・その他の害敵
 トンビ等の大型の猛禽類の被害はありませんでした。(確認出来ませんでした)
 猫は、野犬と異なり活動範囲が狭い為、果樹園近辺で猫の飼育がなかったため、被害はありませんでした。(確認出来ませんでした)

飼育のその他
・鶏と籾殻
 果樹園に大量の籾殻を搬入したところ、籾殻の中に虫が住み着くため、鶏が非常に喜び籾殻を掘り返して虫を捕食した。
 また、籾殻が堆積した地表から草の新芽がまばらに生えるため、草を食べるのにちょうどよい感じとなった。籾殻と鶏の相性は、思っている以上に良いようだった。

・鶏の種類について
 管理人の果樹園では、数種類の鶏を同じ鳥小屋で飼育したが品種の違いで仲間割れ等をすることはなかった。それどころか、同じ場所で産卵するため共同で卵を温め育てていた。
 また、カラスの被害の受けたときも、体格の大きい名古屋コーチンや黄斑プリマスロック種は、種類の違いを問わず勇敢に雛を守る行動をとっていた。

鶏の飼育の挫折
 管理人が鶏の飼育を挫折したのは、野犬による被害が原因でした。野犬対策として果樹園をネットで囲いましたが、抜け穴から野犬が入り込んだことにより、2日で全滅しました。
 被害の状況としては、約4頭の野犬が3時間程度で半数程鶏が殺されたと思います。
 抜け穴は、野犬が囲いのネットの下に穴を掘ったものと思われます。

鶏飼育の失敗原因と反省
 鶏の全滅の最大の原因は、飼育場所が広すぎたことで管理が行き届かなかったことによります。
 参考に、管理人の放し飼いとした果樹園は、約2,000坪の面積であったため、その外周に使用したネット状態が十分確認出来なかったことによります。
 飼育したときの状態からだと、鶏の活動範囲は以外に狭く、約60羽~の飼育の場合400坪程度で十分のようです。狭くすれば、外周の管理もしやすく、野犬の被害は防げると思います。
 犠牲になった鶏さん、ごめんなさい。

防雪・防風ネットの写真 ネットの高さは約4mあります
防風ネット  防風ネット

飼育した動物
 羊 ・・・・1頭

羊の飼育の挫折
 飼育をはじめていきなり大問題に直撃!羊は、梨の木の表皮をかじる。それも、ものすごい勢いで。というわけで、一瞬で断念しました。梨の果樹園での飼育は、特別な設備でも用意しないと難しいようです。

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